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●今回のテーマ、かなり、まじめに書きます。
いつも、不真面目なのか!いや、そんな事は・・・(苦笑)
さまざまなところで、すでにお話している事も含まれます。ですが、経営において、私が最も重要だと思っている事です。脱線せずにお話する予定ですので、退屈する可能性大!
プラス、少し長い話になります。さて、最後まで、お付き合い頂ける方が、何人いらっしゃるでしょう?(笑)
●経営の目的は、ナンでしょう?
もちろん、それは、社会への貢献である事は間違いありません。より大勢の方に、役立つ物やサービスを提供し、よりよい社会となるべく、さまざまな仕事が存在するわけです。
そして、より多くの人々に貢献した事業や会社が、より多くの報酬を手にすることになるわけです。そして、その得た収入を使って、さらに役立つものを生み出し続け、その事業や会社が大きく成長していくわけです。
●ただ、規模の大小を競うことには意味がなく、必要とする方がいて、それを提供するために努力している小さな商いにも、大切な意味があると私は思います。
●全ての人に、生まれてきた意味があるはずです。
そして、自分自身の「生」を、この世で生かそうと、懸命に模索し、自分の人生の意味を考え、目標に向かって努力していくのが人生です。
人生は、人と比べるべきものではない!と、何度も申し上げていますが、会社や事業も同じで、規模の大小を比べる事には、私は、意味はないと思っています。
●バーの存在意義は、ナンでしょう?
店主が考え、創造し、提供する空間で、癒され、幸せになれる人々が、より多くあることでしょう。必要とされない空間であれば、消えていって然るべきものです。
では、バーで提供できるものはナンでしょう?
飲み物?空間?時間?・・・いろいろ考え方があるでしょう。ただ、ひとつ、大事なのは、経営を考えると、お客様に、期待以上の物やサービスを提供する事。すなわち、原価に、より付加価値をつけて提供する!ということですよね。
●「付加価値」って、ナンでしょう?
人によって=店によって、この「付加価値」が違うわけで、そこが、経営における個別の能力となるわけです。
資本力のある方であれば、どこよりも立地条件がよく、さらに内装にもこだわり、収容人数も多く、スタッフも十分に準備し、広告も大々的に行い・・・といった経営手法もとれるでしょう。
この場合の、「付加価値」は、場所、内装、収容力、スタッフの人数、知名度などですね。
●では、資本力のある店よりも「付加価値」の高い店はできないか?というと、全く、そんな事はありません。むしろ、より「付加価値」の高いお店を作ることが可能です。
なぜなら・・・・資本力がないからこそ、アイデアと本気度の差が、大きな付加価値となるからです。
当然、お酒やカクテルの知識・技術は、資本力で、どうにかできるものではありませんから、まずひとつ、大きな「付加価値」となります。
●また、小さなバーでは、当然、お客様はもちろん、スタッフも含め、親近感の度合いが高くなり、これも、大きな「付加価値」のひとつです。
さらに、大規模店舗では、お客様一人の影響力は小さいのですが、小さなバーであれば、お客様からすると影響力が大きく思えます。
「この小さなお店を、応援してやろう!」
というお客様自身の重要感が、非常に大きくなります。つまり、満足度が高くなり、これも大きな「付加価値」です。
●この「付加価値」は、皆さんが思うより、非常に大きなものです。
社会人で知らない人はいない、名著、D・カーネギーの「人を動かす」を、ご覧頂いた方は、よく分かると思いますが、人間の一番大事な欲求とは、「自己の重要感」です。
この「自己の重要感」を満たすために、人は、さまざまな努力をするわけでして・・・
この重要感が、社会的地位で満たされる方もあれば、金銭で、持ち物で、趣味で、家庭で、考えればキリがない程、人は、自分の存在価値を認めてもらうための努力であれば、惜しみない労力をさくものです。
●ですから、この部分を満足させられる店であれば、当然、お客様に必要とされ続けるわけで、長く続くお店の、最大のポイント!といっても過言ではありません。
お客様に、「貴方様が、当店の存続を左右しているのです」と、率直に、素直に、助けてもらえば良いのです。
応援してもらう事が、大切です。
●ただし・・・甘えてはいけません。
一生懸命努力し、お客様が認めるサービスを提供しようと、頑張っている姿は絶対条件ですが、それも、開店からしばらくの間だけのことです。
最初は、カクテルの味なども、未熟でも許して下さる方もあるでしょう。しかし、いつまでも、それは続きません。
それでは、お客様が、自分の大切な友人や知人を、紹介しようにも、自分の重要感を下げる事につながり、欲求が満たされなくなるからです。
●小さなバーでは、紹介して頂くお客様を大事にしないと、間違いなく継続できなくなります。広告やチラシなどでの集客をメインとしてよい店は、大規模店舗の場合です。
小規模店で、広告頼みの経営をしていると、遅かれ早かれ、行き詰まってしまいます。口コミにまさるものはありません。
信頼できる人から紹介されたところであれば、その後、また、別の方への紹介と、お客様の連鎖が始まるからです。
●ですから、随分、話がそれましたが、「付加価値」として重要なのは、お客様の自己の重要感を満たすことです。そのために使用する道具として、お酒やカクテルや、接客や会話があるのであります。
この部分を間違えて、単に、知識や技術、あるいは、希少価値のあるお酒やカクテルの味わいだけで、何とかなると思ったら大間違いなのです。
本末転倒なのです。これは、経営を長く続けていく場合に、本当に重要なことなのです。
●もちろん、知識・技術も、希少価値のあるお酒も、美味しいカクテルも、必要です。間違えないで下さいね。それらだけで、何とかなると思うことがいけないのです。
そういう事を理解した上で、経営を考え始めた時、真の経営者としての第一歩が始まるのです。